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「お昼できたよ」
お椀に味噌汁を盛りながら、ユキはいう。
「はあい。カゴだけちょっと置いてくるね」
ちょうど干し終わったので空の洗濯カゴを洗面所に置きに行く。戻ればリビングのテーブルには木製の四角いお盆がふたつ。ほかほかの白米とタマネギの味噌汁、メインには青々としたキャベツとカリカリベーコンに囲まれた目玉焼きが仲睦まじく並んでいる。
「ひとつだけだったの」
「なにが?」
「……双子ちゃん」
すっとメインの皿をさす。こちらへ双子、ユキには普通の目玉焼きが置いてある。なるほど。
「ユキが食べていいよ」
言いながら双子のお皿を持ち上げる。
「え、いいの!」
そわそわした目で見つめられてはそうせざるを得ないでしょう、という気持ちで口角も自然に上がってしまう。
「やったー!」
ユキは嬉しそうに受け取り、スゴモリのお皿を交換する。
「それじゃあ」
「はい」
両手を合わせて。
「いただきます」
「いただきまーす!」
(T1.休日の双子ちゃん 完)
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