第9章 キンギョソウ(2)

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「なるほど。ありがとうございました。ここら辺に集中しているようですね」  私がうなっていると緑川のそんな声が聞こえてきた。どうやら聞き取りは終わったようだ。  スマホをのぞき込んでみるとここからそう離れていない場所で渡されているようだった。 「で、なんかわかったのかよ」  森永君が緑川に挑発的に聞いた。なんかすごい偉そうだ。 「えぇ、大体は」  対して緑川はあっさりそう答えた。わかると思っていなかったのか、森永君は目を丸くしていた。 「…ほんとにわかったのかよ」 「えぇ。そのどくろじじいの家も見当がつきました。今から行ってみますか?」 「え!?家までわかったんですか!?」    蓮乃愛ちゃんが驚いたように言った。 「ま、実際行ってみるまでは確証はありませんけどね。三人とも時間あります?」  緑川は苦笑しながらそう聞いてきた。  三人とも大丈夫、と答えると緑川は満足そうにうなずいた。 「じゃあ行きますか。  あ、そうだ。まだ聞きたいことが。森永さん、そのもらった友達って全員男ですか?」 「え。い、いや。女子だったって言ってた…。一緒に下校してた俺の友達がその女子に向かってどくろを渡されたって…」 「ふむ。ひょっとして今日も鈴坂さんに渡そうとしていたんですか?そのどくろじじい」 「…はい。そうでした」 「え、それほんとに大丈夫なんですか?なんか儀式的というか、ヤバそうな感じするんですけど…」  私は思わず口をはさんでしまった。小学生女子にどくろの首飾りを渡す老人。なんか不気味を通り越してホラーチックになってきた。あるいは殺害予告とか…。 「儀式的ですか?ふふっ。言い得て妙ですね」  …一体何が面白いのか。 「大丈夫ですよ。多分その人に悪意はないと思いますよ。まぁ変質者の可能性もゼロではありませんが」  …最後の一文がまずいんじゃないかって話なんだけど…。
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