闇が深いのは夜明けが近い証拠

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闇が深いのは夜明けが近い証拠

生きていれば、何をしてもうまくいかない、そんな時があります。家族のこと、友人のこと、仕事のこと、夢のこと、様々なことで八方塞がりとなり、もう前に進むことができない、そんな人もいるかもしれません。しかし、闇が深ければ深いほど、夜明けはすぐそこです。 私には明確に、人生のドン底というものがありました。その時は、家庭に居場所がなくなり、仕事もうまくいかずに多大なストレスがかかり、それでも味方はおらずに一人きり、ついには体を壊して緊急搬送され、人生で初めて仕事に大きな穴も開けました。体も心もボロボロになり、この地獄は永遠に続くのだろうかと何度も考え、その度に全身が恐怖に支配されました。 休養中、私の枕元には、あるものがありました。それは、私の短編小説が載った書籍です。10年以上前、小説を書き始めた時からずっと夢見ていた書籍化、自分の小説が載ったその本をめくるだけで、心が明るくなりました。闇の中をさまよっていた私が、どれほどこの本に救われたか分かりません。 悩んだ分だけ、自分と向き合い、成長することができました。私のことを攻撃し、苦しめた人達はみんな去っていき、今では素晴らしい仲間だけが私の周りに残りました。絶望の中でも、私はスマホを手に取り、小説を書き続けました。あらゆるものを失ったけれども、私には小説がある、そのことに気付かされました。長い長いトンネルを抜けた先には、まぶしいほどの朝日が輝いていました。 辛いことしかない、自分の味方がいない、目の前が真っ暗になり、一歩も進めない、そんな時があるかもしれません。私にはありました。そんな中で、一筋の希望があったから、私は倒れずに、ここまで来ることができました。もしもあなたが、同じような状況にあるなら、絶対に希望を捨てないでください。希望があれば、必ず夜明けは来ます。もしも、希望を失いそうになった時、思い出してください。ここに、絶望の淵から立ち上がった一人のWeb作家がいることを。今の辛さも、人生という物語を鮮やかに彩る1ページになります。あの時は苦しかったと、笑える日が必ず来ます。どうかそれを忘れないでください。このエッセイが、少しでもあなたの希望になることを願っています。
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