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成功
ぐちゃぐちゃの頭を抱えたまま戻ってきた自分の部屋で、さっきの出来事を思い返す。眼鏡を外す怜史。薄い唇から出た告白の言葉。エイプリルフールという響きの衝撃。
何だよ、突然眼鏡外すって。格好つけやがって。
…格好良かったな。
でも、明日からまた、いつも通りに接するんだ。作戦を考えたときに心に決めたことだ。
これで俺は自分の思いを伝えることができた上に、これからも友達として怜史の側にいることができる。それに、嘘でも好きだと言ってもらえた。
上場の結果じゃないか。
…なのに、何で。涙が出るんだ。
ぼやけた視界のまま、俺はベッドに転がった。
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