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頬に痛みを感じた。目から溢れ出るものをキティが舌で拭ってくる。
「そんなもの舐めたら、壊れちゃうよ」
キティを両手で突き放すように掴んだ。みょーんと伸びる胴体も、ピンクの腹も、とても良くできている。あぁ、わたしのキティ。愛しい本物のキティ。
涙が溢れた。
初めてのこの星を訪れた夜以来の涙を止める方法を、アカネは知らなかった。
「キティ、泣くの、を、やめ、る方法を、教えて」
キティは舐めることをやめると、ピンクの肉球で抜け殻をつつき始めた。青い太陽が上りアカネが泣き止むまで、それをやめなかった。
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