クリームパスタ

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クリームパスタ

*真紘*  こういうの、いつぶりだろう。  ベッドの上でだらだらしていると、またふんわりといい匂いがしてきた。 「はい、何か食べないと薬飲めないよ。」 「クリームパスタ?」 「うん、これでほうれん草も玉ねぎも牛乳もおしまい。買い物行かないとね。…って俺が言うのもなんだけど。」 「ううん、自分じゃ作れないもの。」 「…冷たいゼリー飲料じゃなくて温かいもの食べなきゃ。」 「うん、美味しそう。いただきます。」  食べていると永遠くんが躊躇いながら言った。 「あのさ、しばらくここに置いてくれない?」 「え?」 「いや、しばらく真紘ちゃんにご飯作りたいなあ…って。」 「うち、一部屋しかないし。」 「キッチンで寝るよ。」 「えと、私無職で…。」 「できるだけ迷惑かけない。」  呆気に取られて永遠くんをじっと見ると 「真紘ちゃん、今は一人でいない方がいいよ。」  と真剣な目で見られた。  目が熱くなってじわっと涙が出そうになって、頷いた。
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