9人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
飛行ギルドの金庫番にして守銭奴のアイシアが、楽しそうに微笑む。
「2万E(イーヌ)になりまーす」
ミライは顔を引きつらせる。
ギルドの飛行機のレンタルは安物が1機買えるほど高い。
「借りでいい?」
この世界、ソライヌには銀行がない。
ミライの本拠地に戻ればそれなりのお金があるが、数百kmなんてもんじゃなくて戻る手段がない。
「本当に本当に、本当に本当に、本当に本当に返してくれます?」
アイシアの疑いの眼差しに、ミライはため息をつく。
借金の形に魔王の宝玉を提示したら、そんな危ないものは駄目と断られた過去がある。
他に形がないので信用貸しになる。
「絶対返すよ。世界を救った親世代の名前を地に落とせないから」
500Eの商品を400個運ぶクエストを受注するとする。
手数料1割として1回で返せる。
「借りれるのエアリースIIだっけ? 倉庫容量いくつ?」
「借りるの2回目じゃないですか~、覚えておいてくださいよ~、40個分です!」
10回だった。
最初のコメントを投稿しよう!