紫電の輸送屋

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 飛行ギルドの金庫番にして守銭奴のアイシアが、楽しそうに微笑む。 「2万E(イーヌ)になりまーす」 ミライは顔を引きつらせる。 ギルドの飛行機のレンタルは安物が1機買えるほど高い。 「借りでいい?」 この世界、ソライヌには銀行がない。 ミライの本拠地(いえ)に戻ればそれなりのお金があるが、数百kmなんてもんじゃなくて戻る手段(あて)がない。 「本当に本当に、本当に本当に、本当に本当に返してくれます?」 アイシアの疑いの眼差しに、ミライはため息をつく。 借金の形に魔王の宝玉(オーブ)を提示したら、そんな危ないものは駄目と断られた過去がある。 他に形がないので信用貸しになる。 「絶対返すよ。世界を救った親世代の名前を地に落とせないから」 500Eの商品を400個運ぶクエストを受注するとする。 手数料1割として1回で返せる。 「借りれるのエアリースIIだっけ? 倉庫容量いくつ?」 「借りるの2回目じゃないですか~、覚えておいてくださいよ~、40個分です!」 10回だった。
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