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南海の孤竜
アルサスが漁を終えて戻ってくると、デルゴスフィアの被っている骨にヒビが入っている。
骨竜はたいへん丈夫なので、被っている骨がどうなっても元気は変わらない。
「どうしたんだ?」
しきりに海岸線のほうを見るのでアルサスも同じ方向を見る。
「や、たいへんだ。お~い、シェナ~」
たいへんという割に緊迫感はない。
シエナは同じ方向を見て思わず吹き出す。
「事故なんでしょうけど……」
海岸の木の上に飛行機がすっぽり乗っかっている。
デルゴスフィアと飛行機がぶつかったのは分るけど、その後運のいいことに木に座礁したようだ。
船じゃないのに。
「あれ、助けたほうがいいよね?」
木の上でじたばたしている半エルフと猫族と楽器持ちは安全に降ろしてあげたほうがいい。
助けるのに10分もかからなかったが、連中は厄介だった。
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