南海の孤竜

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「弁償ですからね!」  (デミ)エルフはミライという名前で、デルゴスフィアの前方不注意の責任を、飼い主に押し付けようとしている。 操縦していたらしい猫族(カラン)は、自分もミライと話していて前方不注意だったせいか何も言わずに黙っている。 シエナは島で険悪な雰囲気になったことがないので、おろおろしている。  アルサスは以前に不祥事を起こしたときの経験から、修羅場には慣れている。 「どっちが悪いかは置いておいて、被害額をみてみようか」 アルサスもシエナも暮らしには困っていない。 過失は法廷で決着付けるにしても、相手が貧乏で可哀想だったら援助してあげてもいい。 「エアリースIIね。3万イーヌくらいかな」 「機体知ってるの?」 「ああ、空賊がよく使うタイプで、昔よく戦ったから」 希竜傭兵団所有のデルゴスフィアの親に乗って、散々落とした。 落とせばどれくらいの価値があって、賞金がどれくらい出るかはよく分っている。
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