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パティシエショップからのお便り
孤島に1軒だけのリリアさんのケーキ屋に、深層のりんごを持って向かっている。
入る前に半エルフと猫族には大事なことを言わないといけない。
「リリアの名前、パティシエショップ、綺麗な建物と、本人のイメージ違うから! ……失言しないように!」
ケーキ屋の外観は白い壁に花模様。屋根には青や緑の鮮やかなタイルが載っている。
入り口は小階段になっていて、扉に付いている呼び鈴は金色のベル。
「そうなの……ニャン?」
「どっちでもいいけど?」
カランはイメージにこだわるタイプでげんなりしてるけど、ミライはどうでも良さそうだ。
「ごめんください~」
「らっしゃい!」
入店間もなく威勢のいい声が飛んでくる。
体格は女空賊で、鬼瓦のような四角い顔が乗っている。
孤島の漁師の話し方が移ってしまった口調に、パティシエショップらしさはほとんどなかった。
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