パティシエショップからのお便り

4/11

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
「ニャンでレンタル料が1万ニャンです?」  猫族(カラン)は別のエアリースIIを操縦しながら、同乗しているアルサスに聞く。 「巨大烏賊(クラーケン)を倒した漁師さんたちには、お安くしますだって」 飛行ギルドの金庫番にして守銭奴のアイシアが、1万イーヌで貸したのには驚いた。 隣島にもゲソ高値落札の情報が行っている。 船で担保もできるし、資産もあるアルサスとシエナのレンタルなら、お安く貸せる。 「それより、操縦は大丈夫なんでしょうね……?」 やっぱり同乗のシエナは、カランがヴィーンに勝てるかどうかが不安だ。 もし落とされればアルサスが飛行機代を弁償することになる。 「操縦がどうかと言われると、駄目ニャけど」 高速の輸送屋(キャリアー)であって、戦闘機乗りではない。 でも攻撃担当のミライが滅茶苦茶強い。 射程も長いので空中戦(ドックファイト)になる前に勝負がつくはずだ。  別のエアリースIIは孤島に戻ってくる。 ミライとモリ君が下で手を振っているのが豆粒サイズで見える。 「お二人さん、そろそろ手動で車輪降ろしてくださいニャ」 アルサスとシエナは何てローテクな機体なんだと零しながら、車輪を降ろし始めた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加