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獣亜人と猫族が飛行機で戦うという話は島中に伝わる。
漁労長やダクラ婆さんまで見にきてお祭り騒ぎになる。
「レディースン、ジェントルマン! 世紀の対戦だ!」
マサルさんじゃない冒険者が勝手に司会をする中、ヴィーンとカランの飛行機が飛び立つ。
ヴィーンの側にはポッケが乗り、カランの側には半エルフとモリ君が乗る。
両機体はそれぞれ反対方向に1分ほど飛んだ後、戦闘機動でゆっくり反転する。
空中の審判はデルゴスフィアに乗ったアルサスだ。
勝敗を見るのはもちろん、古代魔法アイテムを使うなどの違反行為を取り締まる。
純粋に戦闘機を動かしてもらい、副搭乗者の銃なり魔法なりで決着を付ける。
「フシュウウ……」
「や、そう言うな」
デルゴスフィアとしては、こんな詰まらない練習試合は叩き潰せという話だ。
確かにヴィーンは悪っぽいし、竜傭兵であるアルサスと組めば戦闘機の1機も落とせる。
でもアルサスは平和がいいし、ミライの実力も見てみたい。
「審判も悪くないさ」
もしどっちかが撃墜されて危ないことになれば、飛んでいって助けることもできる。
「海にドボンする分には浮き輪を投げるだけだけどね」
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