パティシエショップからのお便り

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 ミライは誰にも見せたくなかった、大魔法の大詠唱を始める。 風の伝達(ウィンドボイス)に乗って、審判役のアルサスにまで聞こえてくる。 「我は御雷(ミライ)。名は建御雷の2字を頂いた隼人とユキの子である……」 其は風の化身。 「……風の精霊(シルフ)よ。我の呼びかけに応えよ! あのすばしっこいやつを打ち払え!」 大竜巻(ウィンドストーム)が、獣亜人(ヴィーン)の戦闘機の正面に出現する。 下に大渦潮(メイルシュトローム)ができるほどの威力で、瞬く間に戦闘機を飲み込む。 「……すばしっこいやつね」 詠唱の対象名はいい加減でいいらしい。 (連続)  戦闘は終わった。 「フシュウウ……」 背中に獣亜人2人とアルサスを乗せ、過積載のデルゴスフィアが文句を言う。 「や、そう言うな」 アルサスはまだ成長途上の聖竜を宥めながら孤島に戻ってくる。 進化前は骨竜で大量に魚を食べていたんだから、その分は働いてもらいたい。 デルゴスフィアも理解しているらしく島までは運ぶが、海岸で即行放り出す。 放り出された2人は、捨て台詞を吐きながら絶望の洞窟の方に逃げていく。 「島の人も空戦を楽しんだみたいだし、獣亜人の2人も戦闘は楽しんだんじゃないかな」 なによりエアリースIIが無事なのがうれしかった。
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