南海の姫

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 希竜傭兵団は3つのクラスに格付けされている。 主に世話をする見習い(トレーナー)、主に移動をする乗り手(ライダー)、主に戦闘する竜傭兵(ドラグナー)。 見習いや乗り手と違い、竜傭兵(アルサス)は剣や槍の素養がある。 「甲板にとりついてきたよ!」 船の速度が座礁したときのように、がくんと落ちる。 不安定な甲板をシエナの見つけたゲソ足まで移動して切り落とす。 巨大烏賊(クラーケン)は足1本しかとりついていなかったらしく、速度は元に戻る。 「今度は船首にきたよ!」  シエナは見張り台に登ってゲソ足を見てくれている。 「漁はひとりじゃないといいよね」 最初以上に船の速度が落ちる。 巨大烏賊(クラーケン)はどうやったら逃がさないか学習したようだ。 「そっちがその気なら、手加減はしない!」 アルサスは軽やかに飛び上がると、全体重を乗せてゲソ足の一本を切り落とした。
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