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飛行ギルドの1階の部屋では、空賊たちが貝殻で作った牌で麻雀のような賭博をしている。
同じマーク3つを3セットで集めたら勝利だ。
「平和だなぁ」
最近ミライ姉が忙しいらしく、部屋を汚したい放題汚しても文句を言う輩はいない。
「ホント落ち着きますなぁ」
対面の空賊が空になった酒瓶を床に転がす。
全員酔っ払っていてよく勝負になるものだ。いや、なっていない。
「あっ、お前、床に転がすフリして自分で作った牌拾ったろ!」
イカサマ癖は抜けないらしく、すぐに揉め事になる。
全員の貝殻をオープンし、イカサマチェックが入る。
「あっ、こいつ同じマーク何で4つあるんだよ!」
イカサマ牌を抜かずに次の勝負をするものだから4つ手持ちという事態にもなる。
「これじゃ勝負付かねえな、決闘だ!」
飛行ギルドの掃除のおばちゃんが置きっ放したデッキブラシを拾いあげ、鼻息を荒げる。
喧嘩っ早いのは空賊ならではだが、実はミライはすぐに戻ってくる。
飛行ギルドの入口扉が開き、ミライやアルサスたちが入ってくる。
「みんな、手伝って欲しいことが……!」
「げっ!!!」
空賊たちは手に持っていたデッキブラシで殴りあうのを止め、今掃除をしてますのフリを始めた。
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