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空賊に依頼を終えたアルサスは、ミライやカランと別れて家に戻っている。
「依頼はいいけど、ここに泊まってもらうことになりそう」
石運びは何往復もする。夜にもなる。食事が必要。
近場の漁でハンマー海老とノコギリウオだけだと飽きられる。
「カンナ岬まで行く?」
カンナ岬ではカンナカジキが採れる。
「ええーっ。魚人族の船団が出るんじゃない?」
ハンマー岩場でも行かないシエナが反対する。
確かに住み分けが進んでいて、あの辺りには孤島の船は近寄らない。
「戦闘はしないよ」
漁をするだけ。
「ミツマタ投げてきたら?」
ミツマタとは魚人族の投げ槍で、20メートルくらいは飛ぶ。
「船はそんなに早くないから近寄られなければ」
漁からは退却が決定する。
「ミライとカランがこっちに来てるときに漁をしようね」
空を飛んでもらえば魚人族も用心する。
「カジキのエスカルゴ風、また食べられるね」
カンナカジキは鉄のように硬い外皮に覆われている。
油でオーブン調理するからエスカルゴ風と言ってしまう。
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