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2、3日は無事に漁が済んだけど、4日目となると魚人族が縄張りを主張して出てくる。
上を飛んでいるミライとカランから風の伝達で連絡が来る。
「船がそっち行ってる。止めに戦っちゃっていい?」
「島の他の船が襲われるから駄目ー!」
「ちょっとぐらい、いいじゃん」
アルサスは頼んだ人を間違ったという表情をしながら、漁が続けられるなと思った。
上空ではカランの操縦するエアリースIIを投石がかすめる。
「聞いてないニャン!」
獣亜人の時と一緒。攻撃される予定なんてなかった。
どうやら魚人族は投げ槍だけでなく、長い射程の投石機も使うようだ。
「何とかするニャン」
攻撃されるなら仕返ししても正当防衛だよねとミライは呟く。
「あー、魔法使うしかないね」
会話は風の伝達に乗って、漁をしているアルサスにまで聞こえてくる。
「我は御雷。名は建御雷の2字を頂いた隼人とユキの子である……」
其は風の烙印。
「……風の精霊よ。我の呼びかけに応えよ! 風の刃を用いてあの船を切り刻め!」
アルサスは全面戦争にならなければいいなという表情をする。
数分後、魚人族の船は全部沈んでいて、水泳大会が開催されていた。
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