3.対極

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その瞬間。 ポケットのスマホが、ブルっと震えた。 それは神代さんも気づいたようで、 僕の腕からするりと抜け出したかと思うと、 スマホを見てと言ってきた。 言われるまま恐る恐るスマホを開くと、 メッセージの送信者は川瀬だった。 『この浮気者』 『恥を知れ』 まるでこの状況を見ていたかのような文言に 戸惑い、神代さんを見た。 「何て、返信する?」 試されるようなことを神代さんに言われ、 僕は二の句が告げなくなった。 「仕方ない。呼ぶか」 突然、謎の言葉を発した神代さんが 立ち上がると、まっすぐ玄関に向かった。 そして玄関のドアを開けた神代さんによって 呼び込まれ、中に入って来た人の正体を見て 僕は動揺した。
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