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優しく微笑む翔太君に、私は明るく笑いながら答える。
「夢を叶えられる子になるように……叶うに、翔ぶって書いて、叶翔!どう?」
「叶翔……いい名前だと思う。うん、素敵だ」
「ふふっ!ありがとう。結構自信あったんだぁ」
私がニコニコしていると……翔太君が穏やかに話し始めた。
「俺も考えたんだ。……希望を持って歩けるように、光に希望の希と書いて、光希」
「光希ちゃん!ふふっ、いい名前」
私達が笑い合っていると……お腹の中で子ども達が動いた。
「あ……ねぇ、今お腹蹴ったよ。早くパパに会いたいのかなぁ」
「いや……母さんに会いたいのかもしれないぞ」
「ふふっ、きっとどっちも、だね」
私は笑いながら、お腹を撫でる。
……もうすぐ、会えるね。もうすぐ、家族が増えるんだね。
「ねぇ、翔太君」
「なんだ?」
「幸せな家庭にしようね」
私の言葉に、翔太君は穏やかに微笑んでくれた。
「……ああ。そうだな」
切れ長な目が細くなる、優しくて美人な笑顔。その笑顔で見つめられる度に、思うんだ。
私、世界で1番幸せなお嫁さんだなって。
翔太君と一緒に歩く未来、きっと幸せでいっぱいだね。
これから先も、ずっと……そよ風みたいに優しいあなたの傍にいられますように。一緒に笑い合っていけますように。
そう願って……私は、翔太君に微笑んだ。
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