27 そよ風の君と歩く未来[side 柊]

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 優しく微笑む翔太君に、私は明るく笑いながら答える。 「夢を叶えられる子になるように……に、って書いて、叶翔(かなと)!どう?」 「叶翔……いい名前だと思う。うん、素敵だ」 「ふふっ!ありがとう。結構自信あったんだぁ」  私がニコニコしていると……翔太君が穏やかに話し始めた。 「俺も考えたんだ。……希望を持って歩けるように、に希望のと書いて、光希(みつき)」 「光希ちゃん!ふふっ、いい名前」  私達が笑い合っていると……お腹の中で子ども達が動いた。 「あ……ねぇ、今お腹蹴ったよ。早くパパに会いたいのかなぁ」 「いや……母さんに会いたいのかもしれないぞ」 「ふふっ、きっとどっちも、だね」  私は笑いながら、お腹を撫でる。  ……もうすぐ、会えるね。もうすぐ、家族が増えるんだね。 「ねぇ、翔太君」 「なんだ?」 「幸せな家庭にしようね」  私の言葉に、翔太君は穏やかに微笑んでくれた。 「……ああ。そうだな」  切れ長な目が細くなる、優しくて美人な笑顔。その笑顔で見つめられる度に、思うんだ。  私、世界で1番幸せなお嫁さんだなって。  翔太君と一緒に歩く未来、きっと幸せでいっぱいだね。  これから先も、ずっと……そよ風みたいに優しいあなたの傍にいられますように。一緒に笑い合っていけますように。  そう願って……私は、翔太君に微笑んだ。
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