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確かによく見れば男の股間、というかズボンの腰回りはあり得ない色に変色し、目と鼻を貫いてくるような強烈な臭気を放っている。
「そう!それがこの等活地獄の責め苦!動きたくても動けない!しかも…下手に降ろそうと思えば爪を立てて踏ん張られる!どうにか降ろしても!席が空いたと思った猫達が寄ってきて!さらに増える!」
「なんて素晴らしい…い、いや恐ろしい責め苦なんだ…」
そして男はアンモニア臭が目に染みたのか、目に涙を浮かべながら言った。
「そこかしこにトイレはあるんだがな…辿り着けた奴を俺ぁ見た事が無ぇ…」
「そんな…」
「ある時、寝なければ猫ちゃんは来ない。そう思って立って猫ちゃんを待ち受けた男が居た。だがそいつぁただのキャットタワーと化し、足は爪とぎポールと化していた…!」
「なんという…」
「猫のあまりの可愛さに自ら進んで責め苦を受けようとしてしまう!…こいつぁ本物の地獄だぜ…!」
そう話してる間にも、背中の上にもう一匹登ってきた。
「いだだだだ」
「しかも爪を切ってない子達ばかりだからな!地面もあっちこっちに爪とぎして抜けた爪が落ちている!しかもそれが歩くと地味に痛ぇ!」
「どうしてだ!こんなに可愛い猫たちが俺達を取り囲んでいるというのに!愛でれば愛でるほど!身を捧げれば捧げる程!苦痛は増すってぇのか!」
「地獄だからな!」
「そんな世界俺は認めねぇ!猫と人ってぇのは互いに愛し合うべきなんだ!」
「今だって愛してるよな」
俺達の話を聞いた周りの罪人たちがそれぞれに頷いていた。
「人は喜んで猫に奉仕するべきなんだ!」
「今だって喜んで奉仕してるよな」
やっぱり皆で頷いている。
「そ、そこに苦痛や我慢なんて物は」
「むしろご褒美だよな」
俺も一緒になって頷いてしまう。
「じゃあいいじゃねぇか」
「よくないっ!………ならば…こうだっ!」
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