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語らせていただこう
君たち大富豪には分からないだろう。
私はいつも昼食を悩んでいる。
それは何が食べたいか、ではなく何が美味しく感じるか?という事だ。
意味が分からないだろう?
それは君が人生において金銭に困っていない証拠だ、さあ帰りたまえ!
続きを読んでも君には理解出来ないし、根っからの貧乏人の私は金持ちの君が妬ましい。
ここからはまだ私の言っている事を理解できる者にだけ語るとしよう。
この世には鰻丼という素晴らしい食物がある。
豊富なたんぱく質を含んだ良質な白身、それでいて表面は秘伝のタレが塗られていて良質な甘みが口の中に広がって来る。
あのタレは罪だ。
鰻の表面を塗りたくるだけでは飽き足らず、白米にまで進出してくる。
鰻の表面を通過してから白米に落ちてくるので、タレ本来の旨味に脂の良質な甘さも加わったそれが白米に合わない訳が無い。
タレとご飯だけイける!という者がいるが、それは邪道と批判しつつも共感出来てしまう自分がいるのも事実。
鰻、タレ、白米の最高のコラボレーションによって完成された鰻丼。
私は、私は・・・大嫌いだ!!
私の1日の食費は1000円。
1食ではない、1日だ!!
ほら、そうやって金持ちは馬鹿にする!!
まだいたのか?金持ちは帰れと言った筈だ!!
話を戻す。
私の1食の予算は約333円という事になる。
だが鰻丼の価格は3500円。
私の11食分の値段である。
まさに3日3晩絶食してはじめて食べる事が出来るのだ。
バカバカしい、鰻丼のクオリティは認めるが私にとって鰻丼は全くもっておいしくない。
さあ、結論の時間だ。
ならばなにが美味しいのか?
ここまで読み進めた君には語る必要もないだろう。
ん?なんで金持ちがいる⁉帰れ!!しっ、しっ!
おっと、すまない改めて結論に入ろう。
・・・いや、金持ちどもが私のプレゼンの邪魔をするから、もうその時間になってしまったではないか!
スーパー閉店1時間前!!
私のおいしい時間の始まりだ!
ー完ー
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