どんな風に

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どんな風に

 パソコンを打つ後ろ姿を、ジーっと見ていたけど、集中しているみたいで、戸田くんは振り返ったりしなかった。  更新されても、私は今日からもう読まないと決めていたし、戸田くんの方から小説の話題を出されない限り、こちらからもちかけることもしないようにするつもりだった。  ちょっと寂しいけれど、余計な影響を与えてしまうのは嫌だったし、いつか戸田くんの方から「読んでもいいよ」と許可をもらえるまでのお楽しみにしよう。  ありがとう、今日まで私のことを支えてくれて。  これからもずっと好きでいる。  忘れたりしない。  更新のお知らせがメールで届いたのがわかって、それでもまだパソコンの前に座ってる戸田くんを、背中からぎゅうっと抱きしめた。  0時前に間に合ったことを、良かったね、って言って、頬をくっつけてみた。  この後、どうする?って聞きたかったけど、きっと戸田くんは私が考えてるような予定は立ててないと思うんだ。  一緒にベッドに入ったとしても、コーヒーの飲み過ぎでちっとも眠たくない私たちは、朝までお喋りをして過ごすんだと思う。  「えっと、…香歩は、その」  「…えへへ。いいよ、無理しなくて」  「親御さんに顔向け出来ないことは、まだ」  「そう言うと思ってたから。…ってことは、明日以降なら、いいの?」  「は、早くないかな。まだ、高校生だし」  「ええー?そうなのかな…、じゃあ、戸田くんの心が決まったら、でいい、けど…」  ノートパソコンをパタンと閉じる音と、私が吹き出すのは同時だった。  真面目なところ、好きだし、私を大事にしてくれてるって、そう思えるし。  だけどだけどだけど、私は興味があるんだ。  こんな真っすぐな性格をしてる戸田くんが、どうなっちゃうのか、知りたい。
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