「レモン½で食べよ！」

伝えたいこと

　「香歩の夢、叶えるよ」

　雀が鳴きだした。
　カーテンの隙間から、淡く白い朝焼けが差し込む。
　いつまでも、私はこの日の戸田くんの誓いの言葉を覚えているよ。

　まだ高校生なんだから、これからなりたいものなんか変わるかもしれない。
　挫折だってするだろうし、不安にだってなるだろうし、もうやめたいって投げ出したくなることだってあるよね。
　それでも私は、許される限り側にいるから。
　幾つになっても髪は金髪にしていてもいい？
　旦那様としては恥ずかしいのかな。

　だけど、レモンの½個を、どんな時でも私が抱えているのが見てすぐにわかるように、そうしていてもいいでしょう？

　ねえ、一生懸命、私のことを助けてくれてありがとう。
　好きになってくれてありがとう。
　話を聞いてくれてありがとう。
　話をしてくれてありがとう。
　応援しているからね。
　疲れたら、一緒にこうして眠ろう。

　私はずっと、貴方の夢に、夢見ています。