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新しい日に
早起きをして、お母さんに教わりながら、栄養バランスの取れたお弁当を作った。
お弁当箱は、お父さんがもっと若い頃に使っていた、少し大きめのものをくれたので、きっと戸田くんはお腹いっぱいになれるはずだ。
スキップをしそうになるけれど、中身がよれては大変だから、グッと我慢をしておしとやかに歩く。
特別な学校生活がはじまる。
そう信じて疑わなかった。
だけど、下駄箱で上履きに履き替えている際に、やたらと視線を感じて、思わず自分の見た目をチェックする。
んー??
いつもと、髪型も化粧も変えていないし、特別おかしなところはないと思うんだけどな。
そりゃ、派手は派手かもしれない。
でも、みんなもう見慣れていて、話題にもしなくなっていたし、コレじゃないよなあ。
「…香歩!」
「あ、ルミ。おはよう。あと、本当にありがとう!!助かったよ~」
「うん、それはいいの。良かったね。でも、教室には、行かないで、…保健室行くか、サボるか選んで」
「…お昼に約束があるから、サボるのはちょっと」
「じゃあ、保健室に行ってて!彼氏って、戸田くんだよね?呼んでくるから」
走りよってきたのはルミで、息を切らせたまま一気に話す。
それから、私が保健室へ行くと決まると、再び走り去ってしまう。
一体、何が起こったのか、さっぱりわからない。
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