0人が本棚に入れています
本棚に追加
座り込む
炬燵に
浜辺に
基地に
過去に
とおい国のように
前に進んでいるという感覚こそが
未来に繋がっていると信じているかの
ように
座り込む
その地面の下に
真っ赤な核が燃えている
海が消えた
空が消えた
なにもかもが
思い出の中に
住んでいた山の
樹齢何百年かの大木が
風に揺られる夢を見る
夢は過去だ
決して未来を見ることはできない
道端の犬
座り込んだ
冷たい地面の下に
まだ燃えているのだろうか
昨日も
今日も
明日も
死後も
ずっとずっと
燃え続けてくれるのだろうか
搾取
その二文字に怯えながら
木々は葉を落とし
方言は古紙の彼方に
きみと眺めたあの景色は
もうこの地上にはないとしても
宝島
今日も座り込む誰かを
誰かが青い目を向ける
最初のコメントを投稿しよう!