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二年生になり、春のお茶会の時期がやってきた。
わたしはおばあちゃんからもらった着物を着て参加した。
地味な着物が多い中、おばあちゃんの薄桃色の着物はひときわ目を引いた。ちょうど咲き始めた桜と相まって、他のみんなからずいぶんとうらやましがられた。
わたしはひとつ気がついたことがある。
おばあちゃんはピンクが好きだった。
わたしはおばあちゃんがもともとピンクが好きだったと思っていたのだけど、もしかするとこの着物が、この薄桃色の着物があったから好きになったのではないだろうか。
そしてこの着物をプレゼントしてくれたおじいちゃんが大好きだった。
今度おじいちゃんのところに行ったときに聞いてみよう。
恥ずかしがり屋のおじいちゃんは教えてくれないかもしれない。
でもわたしにはわかる。
ねえ、おばあちゃん。
――了――
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