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それから二週間ほど経った頃、わたし宛てに荷物が届いた。
おばあちゃんからだった。中には遊びに行ったときに言っていた着物が入っていた。きれいに畳まれていた着物は薄桃色をしたかわいい柄の着物だった。
おばあちゃんが若いときのものって言ってたから、もっと地味なものが来るものと思っていたのだけど、予想以上に明るい色だ。そう言えばおばあちゃんはピンクが好きだ。身の回りの小物もピンクのものが多い。
「年甲斐もなく恥ずかしいんだけどねえ」
と照れくさそうに笑うおばあちゃんを思い出す。
ただ……この着物、お茶会には着れないかもなぁ。
先輩たちはもっと地味目の着物を来ていたはずだ。
わたしはひとまずおばあちゃんに無事届いたよ、と電話を入れた。おばあちゃんの明るい声になんとなく後ろめたさを感じてしまう自分がいた。
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