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くねくね
これは、ある田舎の田であったことである。そこには、1件の家があった。その家は、長男のまこと、次男のだいき、母、父、祖母、祖父の6人家族だった。6人の仲は良く、平和に暮らしていた。そんな家族のそばにある田。この田には、昔からの古い伝説があった。「くねくねという田や川の向こうに見える白、黒のくねくね動く存在であり、その正体を知ったものは精神に異常をもたらす」という伝説があった。
まこと、だいき、母でと一緒に家の前の田に遊びに行った。外はいい天気でとても晴れていた。田んぼは緑に生い茂っている頃。まことが窓の外を見た。
「あれはなんだろう?」
まことが見たのは、真っ白な服を着た、人間とは思えないような動きで、くねくね踊りだした。
「これはもしかしたら、伝説であったくねくね?」
まことはわかりました。
「ねえ、お兄ちゃん、あれは何?わかったなら教えてよ!」
「わかったよ。でも、知らないほうが絶対にいい」
「なんで?」
「知らないほうがいいから。わからにほうがいいから」
まことはそれしか答えてくれなかった。
ある日、もう一度聞いてみた。
「お兄ちゃんあれは何だったの?」
「だいき、そんなに聞くなら教えてやるよ。」
「本当?やったー。ありがとう!」
「俺が窓から見たあれは、、、くねくねだ」
「くねくねってあの伝説にあった?」
「そうだ、、、」
「お兄ちゃんどうしたの?」
まことの顔が急に変化した。みるみるうちに、顔が青くなっていき、冷や汗を流れるようにたくさん出した。そして、手に持っていた双眼鏡を落とした。
「どうしたの?」
だいきはもう一度聞いてみた。
「わカらナいほウがイい、、、」
その声は兄の声ではなかった。
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