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「貴方は、私と一緒に居て怖くない?一秒後には、貴方の体はバラバラかもよ?」
「元々死んだ様な生活だったしいいんだよ」
「……ふーん」
少女は遠くを見つめて、何か考え込んでいる。俺は声をかけようか悩んで、同じ方角を見るだけに留めた。話しかけても、何も教えてはくれないだろう。そんな雰囲気を感じる。
「貴方、眠たいの?」
「まあ、眠いな」
「そっか……そうだ!」
少女が目の前から消えた。そして俺は何か柔らかい、シルクの様な触感に包まれる。刹那、少女の顔が、鼻息がかかる程近くなる。
「これって……」
「膝枕ですよ。はい寝ましょうねー」
俺は身を捩ってこの場から抜け出そうとしたが、圧倒的握力で手を握られる。動けない。
「誰も見てないから大丈夫でちゅよー」
「おい、その赤ちゃん言葉やめろ!」
「……貴方って色々と苦労してきたんでしょ?なら素直に身を任せて、楽になっていいんだよ。誰も、ここには居ないんだから」
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