C.Q.B Tset In The Killhouse

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C.Q.B Tset In The Killhouse

 ドーム1の入り口のセンサーに、小佐野美潮(みしお)が学生証をかざすと自動的にシャッターが上がってゆく。  ──通称キルハウス。  全員がキルハウスに集まったのを確認して、小佐野隊長はまたシャッターを下ろす。  キルハウスに入ってすぐ、いくつか並んだ机にチェック用のディスプレイが並んでいる。小佐野はそのすべての機器の電源を入れた。椿も含めて、全員がACUと呼ばれるグレー系のモザイクのようなデジタル迷彩の戦闘服姿である。  自分たちに向けられたカメラからの映像、それを見てにとろは軽くにゃ! と鳴いた。  小佐野隊長以下、全員がディスプレイに映ると、カメラからの映像に映える椿にとろの芸能人としてのアウラに息を飲んだ。  そして、金属製の鉄塔。だいたい地上三階ぐらいの高さである。最上階に、にとろが使用するファブリーク・ナショナル製のP-90サブマシンガンと、強烈な閃光で敵を一瞬無能力化させるフラッシュバンが用意されている。  鉄塔の奥には、木製で艦船のブリッジから船内を模した大きめの施設が(しつら)えてある。  このブリッジから船内に入り、完全に制圧するのが、〈アンティセプティック・チーム〉が能力チェックや普段の訓練に使う近接戦闘(CQB)トレーニングというわけだった。
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