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──六花鐘さんの淹れる珈琲は美味しいわね、と小佐野隊長がしみじみと呟く。
あの、来栖さん……と、アリョーシャちゃんがそばに来ていた。
「ごめんなさい、最初に狙撃サポート・システムが起動して、赤い点がちゃんと表示されなかったのは、来栖さんが双眼鏡でマーキングを怠ったせいだけでもないのです──」
どういうこと?
「──ぼくは、というか聖パルーシア学園には加特力を信仰されている方がたくさんおります。どうか、ヘッドショットはおろか、マリア様の石像に銃口を向けないでください……」
よく聞けば、じつのところマリア様に弾丸が命中しないよう、命中を示す狙撃サポート・システムの赤い点はリアルタイムでアリョーシャちゃんに調整されていたとのこと。
治子は椅子からおりると部室の床にべたっとすわり、アリョーシャちゃんの目の高さに自分の目をあわせた。そしてアリョーシャちゃんの両手を治子の掌でくるむ。
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