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しかも、椿銃砲店の跡継ぎはアリョーシャちゃん、そしてにとろはアリョーシャちゃんとの結婚が決まっていた。
もちろん、特殊部隊に所属しているぐらいだから、自分が使う銃のメンテナンスは自分でできて当然なのだが、アリョーシャちゃんのようなプロに定期的に診てもらうのが一番だった。
小佐野隊長が、ただ一言、椿にとろに命令した。
「そのサイドで結わえた髪、けっこうなボリュームだから、左右両サイドに直してちょうだい。猫ハーフなのは尻尾でバランスが取りやすい、それはわかっているけれど、髪も左右で結んだほうがバランス的にいいわね」
──はい、今直します。姿見はありますか? と椿にとろが訊ねた。
いや、わたしが直してあげる、と治子が言って、椿にとろの前に立った。
「椿さんはそのまま座っててね」
ブラウンの髪はなんだか野性味を感じさせる。と同時に動物の、いや、生命の不可思議さすら思いを馳せてしまう。
治子は手際よく、にとろの髪をツーサイドアップにまとめた。
「中等部何年なのかしら?」
治子の問いにニ年です、とにとろは答えた。
「薫やわたしと同じよ」
銃器の扱いは実家が実家だからわかるかもしれないけれど、これから簡単な入部テストがあるわ、と小佐野隊長。
「各自、戦闘服に着替えて。一七ニ○時にキルハウスのあるドーム1棟に集合。椿さんの実力が楽しみね!」
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