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静かな部屋で一人考え事をする。
無音。
何の音も耳に入れたくないという理由で壁掛け時計の電池まで抜いた。
あえて空虚な状態にしたのはこれからどう生きるのか、それだけを考えたかったからだ。
彼は感情の薄い私から喜怒哀楽を引き出した。
教室内で浮いた存在で孤立していた私に何のためらいもなく声をかけてきたときに驚いたのが始まり。彼と話すときだけは他の子たちと同じような感じでいられたけど、今の私には怒りと哀しみしかない。
楽しい時間が確かにあって、でもそれはもう永遠に来ない。
私は彼がいなくなったことを一カ月経った今でも受け入れられていない。もう連絡を取ることも会うこともできないことが辛くてどうしようもない。
この行き場のない感情をどうすればができるのか分からなくて、ずっと家に引きこもっている。元からこもりがちではあったけど、塞ぎ込むのはこれが初めてだ。誰も責めることのできない事故を、悪い偶然を恨んでいる。
私は彼が事故で亡くなったことを知った四日後には学校に通うことをやめた。彼がいないと行く意味がない。
それに、付き合ってでもいたみたいな落ち込み方をしている私を気持ち悪いという子もいるから、あの場に悪い空気をもたらすことしかできない。
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