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どのくらいそうしていたか。少し身じろいだ真冬のお尻に固く熱いものが触れ、暑い息が首筋にかかる。
「……っん」
ゆっくりと顔を上げると、困ったように笑う颯人と目が合う。その目には明らかな情欲が浮かんでいる。
「……こんな時なのに、おかしいよな……。オレ、真冬が欲しくてたまらねぇ………」
この地に来てからそういった行為はしていない。病院に行って、外でご飯を食べて、ホテルでは眠るだけだった。
だが、ここにきてどうしようもないほど真冬を欲している自分がいた。
それは自分でもコントロールできないほどの劣情。
苦し気に紡がれる言葉に、真冬は颯人の頬を手で挟む。ゆっくりと顔を近づけ触れるだけのキスをしてその目を見る。
「いいよ」
そして颯人の膝から降り、着ているシャツのボタンに手をかける。
それを見た颯人は焦ったようにその手を掴み止める。
「っ、だめだ……!何も用意してねぇし、……オレ今頭もぐちゃぐちゃだから、真冬のこと傷つける…っ」
「私はそんなことで傷つかない」
自分の腕を掴む颯人の手を外すとシャツのボタンを全て外し床へと脱ぎ捨てる。
颯人を見つめながらスカートのジッパーをおろすと、それは自らの足元にぱさりと音を立てて落ちる。
下着すら手早く脱ぎ捨てた真冬は颯人の目の前で一糸まとわぬ姿となった。
ずっとそれを見ていた颯人はゴクリと唾を飲み込む。
「好きにしていいよ…」
真冬はおずおずと手を広げ颯人を受け入れる体勢をとる。
「真冬……っ!」
くしゃりと顔を歪めながらガバリと抱きつき、ベッドへと押し倒した颯人は真冬の大きく白い胸元へ顔を寄せた。
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