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玄関まで聞こえる悲鳴に驚いたのは颯人。
「ちょ、センセイ?大丈夫?」
急いで靴を脱いで閉まるドアの前で声をかける。
返事がないため、颯人の焦りは募る。
「センセイ?開けるぞ!」
ドアを開けた颯人の目に映ったのは大量の段ボールの下敷きになる真冬。
襖を開けた瞬間押し入れに入れっぱなしになっていた段ボールが崩れたのだ。
アニメ関連のものを購入したはいいが段ボールのまま押し入れに突っ込んでいたままのやつだ。
真冬は休みの日に一気に片づけるタイプだが、忙しい時期が重なるとたびたびこういった雪崩を起こす。
「っ!センセイ!けがは?」
ダンボールをかき分け颯人は真冬を助け起こす。
「だ、大丈夫…」
ふわりと真冬を抱き上げた颯人は大事なものを扱うようにゆっくりとテレビ前のビーズクッションへ座らせた。
「センセイはここにいて。いるものいらないもの分類するからそこで返事だけして。段ボールの中身はオレが出してもいい?」
てきぱきした物言いに真冬はコクコクと頷く。
かくして颯人の部屋の物仕分けが始まり、足の踏み場もなかった部屋がみるみるうちに片付いていった。
段ボールは中身を出しキレイに折りたたまれ紐でひとまとめに括られた。
その間真冬はビーズクッションに座ったまま颯人に捨てるものと残すものを答えるだけだった。
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