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小堀真冬 じゃあ、この場所で待ち合わせましょう
○○市○○町×××
犬飼颯人 遠っ!
小堀真冬 近くだったら誰に見られているかわからないもの
犬飼颯人 じゃあ、ここは?
カラオケ○○店
昼休み颯人とDMのやり取りをしながら真冬はなるほど、と思う。
カラオケなら確かに人目はつかない。
小堀真冬 了解
そう返信してスマホをトートバッグへと入れたところで目の前から視線を感じて顔を向ける。
前の席は同期の前園夕華だ。
担当は英語。
「珍しいわね。氷先生が昼休みにスマホ見てるの」
「ちょっとね」
「へえ。ふーん。今度いつご飯行ける?」
意味ありげに笑う夕華に真冬は苦笑いを浮かべる。
夕華は真冬のことをよく知る人物だ。
真冬のアニメ好きを知る唯一の同僚でもある。
ご飯へ行こうのお誘いはいろいろ話を聞かせないという合図でもある。
「近いうちに行きたいわね」
真冬とて聞いてもらいたい話がある。
それはもう時間が合うのなら明日にでも行きたいほどなのだ。
「了~解」
にやりと意味深に笑う夕華に苦笑いの真冬。
このよく人を見て勘がいい同僚にはきっと色々バレているに違いないと思う真冬であった。
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