博物館の漬物

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ぬか漬け博士はそう言うと、ノートに書かれた文字を指差しながら説明を始めました。「この化学式を覚えれば、漬物魔人と戦う準備ができるはずだ」「よし、覚えてやるぞ」彼はそう言うと、その言葉を繰り返して暗記しようと試みました。「……だめだ! まったく理解できないぞ!」 彼は悔しそうに叫びました。「それじゃあ、私が教えてあげますよ」 助手が助け舟を出しました。彼はその言葉を聞くと、嬉しそうな顔をして言いました。「本当か! 助かるよ」 ぬか漬け博士はその様子を見て、不安になってきました。「おい!ほんとうに大丈夫なんだろうな?」 そう言ったきり脳梗塞を起こしてしまいました。「博士が大変だ」 助手は救急車を呼びました。博士が搬送されたあと彼は漬物魔人にこっそり言いました。 「助かったよ。博士の食事にこっそり塩分を混ぜておいてくれた君のおかげだ」 すると漬物魔人はほくそ笑みました。 「そうですね。これでウザい老害が消えました。君はめでたく博士の後釜になれます」 助手も嬉しそうです。「ああ、本当だ。博士はマッチポンプビジネスで不当な報酬を得ていた。僕はこれから塩分と健康を両立させる研究をするんだ」 「わかります。しかし研究が完成するまで膨大な月日と莫大なお金がかかりますね」 「うん。それまではマッチポンプビジネスが必要ですね」 「よろしく頼む。いつか激辛の漬物を山ほど食べてみたい」 「私も楽しみですよ」 こうして悪に頭の先までどっぷり漬かった助手は平和を塩漬けにするのです。 世の中腐ってる! めでたしめでたし?259c7c68-f2d7-4398-9771-ad9774c53949
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