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「フルネームは言ってなかったけど……。早穂、知ってるの? 中学同じだったとか」
「違う違う。知ってるも何も、関 凌真と言えば校内で冴島会長と一二を争うくらいのイケメンだよ。ちょっと目元隠れてて、学ランが超絶似合っててすらっと背が高かったでしょ?」
「え、う、うん……」
鼻息荒く説明する早穂の勢いに圧倒されながらも、こくこくと頷いた。
「あの前髪の隙間からたまに見える、切れ長のキリッとした目がたまらないって隠れファンが多くて有名なんだから。それで、寡黙ゆえに滅多に見られない笑顔がかわい過ぎるって話なの。朱袮のその様子だと知らなさそうだけど」
申し訳ないけれど、今日の今日まで関くんのことは知らなかった。言い訳をするならば、今までおしゃべりしてきた中で早穂から話題にされたこともなかったからだ。
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