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山乃さんから渡されたプリントには、各文化部と運動部の部長の名前とクラス名が書かれていた。ちなみに関くんが補佐役についたのは、これまた公平にとあみだくじで決定したものである。
「部活動の数だけ部長さんがいらっしゃるのでもちろん量はありますが、小冊子に載せる原稿用紙は所定の文字数に収まるようにと既に部長さんにお渡ししています。それを回収して、水曜日の昼休みに生徒会室まで持ってきていただけますか。それから、水曜日の放課後と木曜日の午後をフルに使って全校生徒分を冊子にするので、ホチキス留めの作業もお手伝いをお願いします」
木曜日は新歓式の前日ということで午後からの授業はなく、準備に割り当てられている。月曜日か火曜日で原稿をあらかた回収するのが理想だろう。それに加えて、私は私で挨拶原稿を考えるのと練習もしなければいけない。
「はい……、分かりました」
「冨田さんは女子部長さんのものを集めて、関くんは男子部長さんのものを集めてもらった方が楽じゃないかと。同性の方が声を掛けやすいと思いますので。お二人でやりやすいように相談して、分担をお願いします」
山乃さんは一礼すると視聴覚室から出て行ってしまい、関くんと二人だけになってしまった。
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