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(グレープジュースが二つと、バナナオレと、ミルクティーにコーヒー……っと)
パックジュースの自販機の投入口に軍資金を入れ、ボタンを押しては出てきた商品を取り出し、関くんに手渡していく。
「関くん、カフェオレって言ってたよね」
「うん」
カフェオレのボタンを押してから、しばし悩んでアップルジュースのボタンを押した。
「数、大丈夫だよね? 七人分」
関くんの手の中の五つと、私が持っている二つ。目線を動かしながら数えて少し見上げると、前髪の隙間から切れ長の目と視線がぶつかる。思わず紙パックジュースを持つ手に力が入って、指先がポコンと小さく音を立てた。
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