1話「恋。」

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1話「恋。」

涙を流し声を震わせながら彼女はこう言った。 「ねぇ…、本当に私の事嫌い…?」 キーンコーンカーンコーン ねぇねぇ駅前に出来たこのお店行かない?   今日も部活かよー、ゆううつだわーーー。 今日の学校の終わりを告げる音が流れたと同時に皆はそれぞれの向かう場所へ行く。そして私も行くべき所がある。そうそこは大好きな先輩の元だ‼‼ 私は透元恋華(すきもとれんか)。 高校2年生です。 身長は150cm弱、体重は50kg以内。 中学2年生の頃から伸ばしているこの髪が自慢です。 今は背中の真ん中辺りまで長さがある。 自分で言うのもなんだけど容姿も性格も悪くはないと思う。   「れ〜んかっ、一緒に帰ろうぜー」 「はなちゃんっ、今日も無理かなぁ」 「えーーなんでぇー  また先輩〜?飽きないねぇ」 「うん、そう‼  飽きるわけないでしょ、絶対落とすんだから‼‼」 先輩、その人は私の好きな相手。 先輩は可愛い。 三編みで結われたお下げに丸い眼鏡、160くらいはある身長。 いつも制服のスカートは一番長くしていてガードが硬い感じだ。 でも私は見てしまったのだ、目撃してしまったのだ。 先輩が猫を追いかけ逃げられちょっと涙を流しているところを‼‼‼ 私は家に猫が一匹居り扱いが慣れているので先輩に逃げた猫を連れて来てあげると目をまんまるくし、その後猫を見てにっこりと笑ったのだ。 その瞬間恋に落ちた。 これらは少し寒い春の出来事だった。 この出来事から3週間が経ち暖かくなってきている今、毎日欠かさず先輩に会いに教室へ行っては告白している。 私も馬鹿ではないので流石に2人きりになった時に告白はしている。 でも毎回断られている、「嫌よ」の一点張り。 少し眉を(しか)め、(にら)んだ様な目に口角の下がった表情の「嫌よ」は私にとってご褒美の様なものだ。 もっとに好きになってしまうではないか。 「まぁうん、頑張りな〜」 「ありがと〜、また明日ね。」 「うん、バイバ〜〜イ」 さぁ先輩に会いに行こう‼ 私は早足で先輩の居る教室までの廊下を歩いた。 「栞。」のスター100個目を記念に新連載をと思いまして。 誤字脱字があればご指摘お願いします。 ここまで読んでくださりありがとうございます。 次回、廊下からです。
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