プロローグ

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今回、NASAが始動を開始した『アンノーン計画』の第四号目で初の有人飛行に挑戦し、見事に火星に辿り着いたのである。 着地地点はアマゾニス平原である。 火星はただ何もないただっ広い荒野であった。 あたりには岩が散乱していて、地面の赤土が……というのは前々の研究から分かっている。実際火星には約十機の探査機が動き回っているのだ。 しかし、探査機といえどもそう簡単に火星を一周できるわけもなくまだまだ表面を知っただけである。 そこで探査機が──正確にはその映像を見てる人──が見落とした、もしくは死角だった場所の捜索に出向いたわけである。 もちろん火星にいわゆる宇宙人がいるとは信じているわけではないがこの広い宇宙どこにも地球以外に生き物がいないとは考えられない、と私は考えている。しかし事実、まだ発見には至っていないのである。 そこで私たちが何か手がかりを見つけ、地球外生命体の探求に貢献したいと思っているのだ。 もちろん世間の支持が欲しいとかも理由の一つだが、あくまでついでだ。ついで。 私はこの静かな荒野に向けて心の内で叫んだ。 ──絶対何か見つけてやるっ!
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