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千歳が作ってくれたジュースを飲み干した後、唯はキッチンに向かう。千歳のマンションにある冷蔵庫と同じくらい大きな冷蔵庫を開き、本当に必要なものが揃っていると実感した。おつまみになるようなものが幾つかあり、それとは別で色とりどりのボトルが並んでいる。千歳のマンションにある冷蔵庫を見た時は「何なんですか、これ」と叫びたくなったが今はそうでもない。すっかり慣れてしまったと思いながら、冷蔵庫の中に白い箱があるのを見つける。
「千歳さん、この白い箱って何ですか」
「ケーキです」
「へぇ……」
「唯が食べたいなら、食べていいですよ。中、確認してみますか?」
「今日はもう食べられないと思いますけど、見てもいいですか」
「もちろん」
千歳は白い箱を取り出し、丁寧にテープを剥がす。今日はもう食べられないと言いながらも、唯は中に何のケーキがあるのかは気になった。
「……千歳さん」
入っていたのは見覚えのあるケーキだった。唯が食べたいと思いつつも、食べることを躊躇ったケーキが二個入っている。千歳が頼んでいたイチゴのショートケーキに、イチゴのタルト。
「欲しかったら、ですよ」
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