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「一番、痛まない方法を使いますから」
「痛まない方法?」
それが一体どんなものなのか、唯はすぐに思い浮かばなかった。気にはなったが、千歳は内容には触れず、唯をベッドに寝かせる。その上に覆い被さり、唇を啄むようにキスした。
顔を離すと、千歳の甘く優しい顔は一層増して、唯を見つめる。昼間は穏やかで涼しげな雰囲気なのに、夜になると蠱惑的な魅力が増していく。どこもかしこも魅了され、何もかも差し出してしまいたくなる。唯にはその誘惑に打ち勝つことはできなかった。全部捧げてしまいたい。
「あっ……うう……」
千歳の手が唯の太ももの上を滑っていく。下から上へ移動した手は、足の付け根まで到達してピタリと止まる。唯がもぞもぞと足を動かすと、それに合わせるようにすりすりと動いた。
「んっ……唯……」
「う……ひぁ……っ」
唯の肌にかかった吐息は熱かった。自然と唯は手を伸ばす。だが触れる直前、千歳の頬に触れていいのか戸惑うように静止した。
「唯」
触れてもいいのだと、千歳は唯の手のひらに自身の頬を押しつける。白く滑らかな肌に朱色が滲む。
「千歳さん」
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