第4章 終わりの日(4)

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「う……は、はい、気をつけま……っんぅう」  そうは言っても、唯は気持ちよくなるとつい目を閉じてしまう癖があった。そうすれば、千歳から与えられた快楽をしっかりと受け止められるのだ。それに、キスをしている最中に目を開けることができない。至近距離で彼の瞳と目が合うことを想像するだけで、唯は息が止まりそうになった。  千歳はどれくらい愛撫を続けるつもりだろうか。 「して欲しいことがあったら、言ってください」 「んっ、うう……」  して欲しいことなら、あった。  けれど、唯は耳を赤くするだけで伝えられない。腰をよじり、時折、股をきゅっと閉じる。千歳は言葉にしなくても分かっているはずだ。 (今日の千歳さん、優しいけど……何だか意地悪な気が……)  千歳は相手がわざわざ口にしなくても、何を求めているのか察することができる人だった。なのに今日は唯にどうしたいのかを聞いてくる。それが羞恥を伴うことでなければ、唯は言えただろう。 (苦しい……)  唯は足を震わせながら股を閉じる。
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