第4章 終わりの日(4)

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「恥ずかしいことを言わせてすみません」 「……私が勝手に勘違いしただけですから」  唯は内心で頭を抱えた。 (さすがに最後まですると決めているのに、言われるまで触れないなんてないよね)  考えすぎだった。 「でも俺、さっきの嬉しかったです」  千歳は唇を緩ませると、唯の目尻にキスをする。 「な……」 「やっぱり、やるなら求められたいじゃないですか」 「千歳さんでも、そんな風に思うんですか?」 「思いますよ。気持ちの伴わない行為なんて寂しいです」 (ずるい)  そう思いながらも、唯は千歳の言葉に喜んでしまう。  千歳は唯の頬や首に何度もキスしながら、ラベンダー色のショーツに閉じ込められた小さな突起を探り当てる。 「あ……ふっ、ンぅ……」  指の腹で優しく頂点を撫でられた唯は、足を折り曲げて震えた。 「あんまり強く触れない方がいいですよね」  そのせいで寝落ちしてしまったことが一度だけある。もうそんなことはないと思うが、絶対にないとは言い切れなかった。 「う、うう」 「恥ずかしがらないで」
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