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ふ、と指を包む柔らかな肉壁が動く。唯は小さく息を吐き、締め付けないように意識する。
「もうすこし奥に挿れても大丈夫ですか?」
「は……はい……」
怖いけれど、突然太いものを受け入れるわけではない。未知の感覚ばかりでひやりとすることもあるけれど、唯が想像するような恐ろしい痛みはなかった。
千歳はどこまでも唯のペースに合わせて、指を挿れていく。彼女の体がビクリと跳ねれば、すぐに指をすこし前に戻して様子を見た。
「小指、全部挿っちゃいましたね」
「ふぁ……ぃ……」
それでもまだ小指だけ。
「入り口は狭いですけど、中の方はそんなにきつくはないし……あ」
体の状態について零す千歳に、唯は羞恥のあまり体に力を入れてしまう。どうにか緩めていたそこは、にゅっと控えめな音を立てて男の指に吸い付いた。
「すみません。緩いって言うつもりではなくて、ふわふわして柔らかいって意味で……」
千歳の弁明に、唯はますます体に力が入ってしまう。
「ご、ごめんなさい。力が……うう、抜けなくて……」
「いいえ、唯が痛くないならいいんです」
「千歳さんは、大丈夫ですか? 色々と」
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