第4章 終わりの日(4)

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 だが、千歳のそれはどれくらいの大きさなのだろう。想像では、凶器と言えるほどのものではなく細身でありつつも綺麗な形をしていると思っている。唯が結構失礼なことを考えていると、千歳は僅かに眉を寄せた。何か感じ取ったのかもしれない。表情どころか、体の内側まで観察しているのだ。 「指先だけ、動かしますね」 「あ……あぅ……ンっ」  まだ余裕があると判断したのか、千歳は指の腹で潤っているそこを撫でるように押す。くちくちと粘着質な音を立てながら、唯の体はビクリと震えた。体の内側が開かれていく感覚に慣れない。なのに背筋が蕩けてしまいそうな刺激がある。腰を仰け反ったら変なところを引っかかれてしまうかもしれないと思った唯は、怖くなって千歳を力いっぱい抱きしめた。 「痛かったですか?」  聞かれた唯はすぐに首を横に振る。その反応に、嬉しそうな顔をするのだから千歳は最初から分かっていたのだろう。  そうして小指の刺激に慣れたら薬指、中指と続いた。一度慣れてしまえば、指くらいの太さならそれほど時間はかからない。指がつっかえるような感覚も薄れ、とうとう中指の根元まで千歳を受け入れる。
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