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(せっかくお風呂に入ったのに……)
唯の全身は薄らと汗をかいていた。体の中に指が一本挿っているのが不思議すぎる。もうすでに大仕事を終えたかのような境地になりかけるが、悲しいことにここからが本番だ。
「そろそろ……大丈夫そうですか?」
「は、はい」
きっと大丈夫なはずだ。このままゆっくりと進めていけば、問題なく処女を卒業できる。
千歳が中指を引き抜くと、薄ピンクの液体が糸を引いていた。下半身を見ないよう、千歳が言っていたおかげで唯はその事実に気づくことはない。見てしまったら混乱して、ないはずの痛みを感じ取ってしまうかもしれない。
「確認なんですけど、極力、痛くない方法でいいんですよね」
「はい」
「それ以外はとくに希望はなくて」
「そうです……けど?」
何故、ここで確認を取るのか。
今までの経験上、どうにも嫌な予感がする。
(あれ……?)
とても見たことがある光景だ。
千歳はよく、大事なことは念を押して確認する。
相手が悲惨な目に遭うなら、絶対に。
具体的には言わないが、確認する。
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