初めてを失うまでの契約恋愛

第４章 終わりの日（４）

　けれど、唯には自分の身に降りかかるものが何なのか、すぐに察することはできなかった。

　――ヒントはあったはずなのに。
　――それも、千歳にしては分かりやすいくらいに。

「じゃあ、こっちにしましょう」

　千歳はサイドチェストに手を伸ばすと、一番上の引き出しからものを取り出す。
　薄いピンク色の細長い物体――バイブに唯は言葉が出なかった。

「効果はあるみたいですから」